コーヒー生豆は焙煎前に水で洗うべきか、洗わないべきか。


 

コーヒー生豆は焙煎前に水で洗うべきか、洗わないべきか、しばしばコーヒー業界で議論されていますが、統計調査・解析を行えば答えはでてきます。

お客様に、焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーと、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーを飲み比べてもらい、どちらが美味しいと感じたかを判定してもらえばいいのです。

 

 

【調査・研究方法】

《調査対象者》

コーヒーを普段からよく飲んでいる男女20名

 

《調査に使用するコーヒー豆》

①ブラジル No.2 ウォッシュド ミディアムロースト(水洗いなし)
②ブラジル No.2 ウォッシュド ミディアムロースト(水洗いあり)
③ブラジル No.2 ウォッシュド フルシティロースト(水洗いなし)
④ブラジル No.2 ウォッシュド フルシティロースト(水洗いあり)

 

《焙煎方法》

焙煎機:フジローヤル半熱風式
投入量:250g
ボトム:100℃
窯内温度変化:1ハゼまで6秒に1℃上昇、その後12秒で1℃上昇

 

《調査・研究の流れ》

  1. 調査対象者に①、②の豆で作ったコーヒーを飲んでもらい、10点満点で点数をつけていただき、味の感想も聞く。
    (1点:美味しくない、次は買わない ~ 10点:美味しい、次も買う)

  2. 調査対象者に③、④の豆で作ったコーヒーを飲んでもらい、10点満点で点数をつけていただき、味の感想も聞く。
    (1点:美味しくない、次は買わない ~ 10点:美味しい、次も買う)

  3. t検定(対応あり)を1と2でそれぞれ行う。

  4. t検定(対応あり)の結果と調査対象者の感想をもとに考察を行う。

 

 

 【調査・研究結果】

 

《帰無仮説》

ミディアムローストの場合、焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーと、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーに評価点の差はない。

 

計算した t の値は -4.33、-2.861(自由度19において有意水準1%の t は2.861)よりも小さく、1%有意水準での棄却域に入りました。したがって上記の帰無仮説は棄却されます。

 

《結論》

ミディアムローストの場合、焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーと、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーに評価点の差はある。

 

 

《帰無仮説》

シティローストの場合、焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーと、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーに評価点の差はない。

 

計算した t の値は -5.29、-2.861(自由度19において有意水準1%の t は2.861)よりも小さく、1%有意水準での棄却域に入りました。したがって上記の帰無仮説は棄却されます。

 

《結論》

シティローストの場合、焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーと、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーに評価点の差はある。

 

 

【考察・まとめ】

ミディアムローストとシティローストどちらの焙煎度でも、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーの方が、平均評価点が1点以上高く、1%有意水準でこの平均には差がある(偶然できた差ではない)ということもt検定で証明できました。

また、焙煎前に生豆を水洗いしているコーヒーは、
・後味がクリア
・また購入したい
などのポジティブな意見が多く、

焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーは、
・舌に嫌な渋みが残る
・土っぽい(水洗いしたコーヒーと比べて)
などのネガティブな意見が多く見られました。

 

今回の調査・研究では、水洗いした時に比較的汚れが出にくい最高等級かつ精製方法がウォッシュドの豆を使いました。
水洗いした時に汚れが多く出る低い等級の豆や、精製方法がナチュラルの豆で調査・研究を行えばさらに平均評価点に差が出ることが予想できます。

以上のことから、味にこだわるならコーヒー生豆は焙煎前に水で洗うべきでしょう。当店では全てのコーヒー生豆を焙煎前に水で洗っています。

注意点として、水で洗う作業は多くの時間と水を使用します。(洗った後に2時間程度乾かす時間も必要です。)人件費や水道代がかなりかかるので、メインターゲットとなるお客様が味より量や値段を求めている場合は、水で洗う作業は行わない方がいいです。

今後の展望としては、化学的な分析を行い、焙煎前に生豆を水洗いしたコーヒーと、焙煎前に生豆を水洗いしていないコーヒーの成分の差を明らかにしたいと思っています。

 

【補足画像】

250gの生豆(ブラジル No.2 ウォッシュド)を水洗いしたときにでる汚れ

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